能 弓八幡 (ゆみやわた)



あらすじ

 後宇多天皇の家臣が男山八幡宮(岩清水八幡宮)に参拝していると、錦の袋に弓を入れた老人と出会う。どこから来たかと尋ねると「当社に永く仕えている者で、桑の弓を天皇に捧げようと待っていた」と答え、神代には桑の弓と蓬(よもぎ)の矢で天下を治めたというが,今は泰平の世なので袋に納めて捧げるのだと説明する。そして自分は八幡宮の神託を伝えるために来た高良(こうら)の神である」と言い姿を消す。
 その後天より妙なる音楽が聞こえて高良の神が現れ、国土安全、平和の御世を讃えて舞を舞う。



演者から一言

 この曲は「真之神舞物」と言い数多くある初番目脇能物の中でも格式ある曲で、習字に例えると「楷書」の曲なので奇をてらわず、力強く颯爽と勤める事が大切です。
 前シテの老人は苦しげにならず、後シテは早い舞を荒くならず舞うのが難しい。


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