能 九世戸 (くせのと)



あらすじ

帝の臣下は、文殊菩薩勧請の地、丹波の国天橋立にやってくると、二人の漁夫に出会う。臣下が、この地を九世戸と言ういわれを尋ねると、漁夫は「昔この所で暴れていた龍神を鎮めるために、此処に天神七代・地神二代の九世をかけて、天橋立を作って文殊菩薩をお迎えし、龍神を鎮めた所からだ」と語り、今日は龍神(地神)と天人(天神)が御燈を灯し、天地を結ぶ橋を掛ける神事の日にあたるため、是非ご覧くださいと語り、姿を消す。
程なく空から天女が舞い降り、海からは龍神が現れ、各々御燈を神前に捧げる。神々は御代を言祝ぎ、やがて天女は虚空に、龍神は海中にと姿を消す。

演者から一言

ここ70年位の間に東京では2〜3回しか上演記録が無い曲ですが、正統派の脇能としてなぜ出が遠いのか不思議に思います。書道に例えれば「楷書」の曲なので、奇をてらわずに、颯爽とした神様を演じたいと思っております。


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