安達原 (あだちがはら)




あらすじ

 奥州安達原で行き暮れた山伏一行は野中の一軒家に強いて宿を乞う。中の老婆は始め渋ったが、親切にもてなし、糸繰車をあやつって見せたりする。
 やがて老婆は薪を採りに山に行こうとするが途中立ち戻り閨(ねや・寝室)の内を見るなとくどく念を押す。かえって疑問を持った能力(下男の山伏)は師匠の止めるのも聞かず、ひそかに覗く。 
 中には人の死骸が数知らず、火の玉の飛交う凄まじい有様に、さては鬼の住家かと、一同は心も空に逃げ惑う。本性を見あらわされた鬼は天地を揺るがして追いかける。
 山伏との必死の法力くらべに鬼はついに敗れ呪いの声を天地に轟かして消え去って行く。

演者から一言

 舞台上に死骸や火の玉は現れませんが抽象劇としてのリアリズムを感じ取っていただければと思います。
 観世流以外は「黒塚」といいます。


↑に戻る HOME(検索でお越しの方はこちらからtopにどうぞ)